近年、MRと呼ばれる技術が各業界で取り入れられています。複合現実を意味するMRは、正式には Mixed Realityと表記します。MRは、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)の考え方を応用したような有用な技術なのです。多くの業界でMRコンテンツが活用されており、すでに医療業界や建築業界をはじめ、いくつもの分野で活用されています。
こちらではMR開発の専門知識を持つ15minが、MRコンテンツ制作のポイントをご紹介いたします。
目次
VRやARの技術を活用したコンテンツは、すでに多くの企業によってリリースされています。これに加え、近年ではMR開発に着手する例も増加してきました。MRの技術を活用すれば、現実世界に仮想世界を重ね合わせるようなコンテンツを作り出すことが可能となります。MRコンテンツ制作をMR開発業者に依頼しようとお考えであれば、まずはMRについて把握しておきましょう。
Mixed Realityとは複合現実を意味する言葉で、ARとVRのよいところを取り合わせたような技術のことです。MRの技術を活用すれば、現実世界と仮想空間とをリアルタイムで精密に重ね合わせることができます。つまり、MRによって人は現実世界と仮想世界を同時に体感することができるのです。
MRを使うためには、専用のゴーグルやヘッドマウントディスプレイなどのデバイスが必要です。ゴーグルの視界は透過されており、現在目の前にあるものの形状をはっきりと視認することができます。
MRの機能を活用すれば、目の前に見えているものをデバイスが認識して、それに対してデジタルの映像をピッタリと重ね合わせて表示できるのです。
MRの機能は現実と映像を合成させることだけではありません。MRでは、目の前に現れた映像に実際に触れたり、手で動かしたりすることも可能となります。また、利用者が動けばMR映像も自動的に動き、最適な場所に表示され続けます。
これまで活用されてきたVRには、人が動き回ったときに映像を維持できないという難点がありました。しかし、MRの場合にはあくまで現実世界を基準として映像を表示しているので、動き回ったときに不具合が起きることが少ないのです。
MRを活用すれば、目の前の現実世界をそのまま仮想世界に置き換えることが可能となります。従来の情報処理の枠を超えてデジタル世界を自在に体感できるのが、MR開発の大きな意義と言えます。
MRの技術は、すでにいくつかの分野で活用されています。こちらでは、各業界でのMR活用例をご紹介いたします。
MRは医療分野の可能性を引き出す新しい一手になることが期待されています。例えば、医師が前もって手術の方法を確認したいときにはMRの映像が使えます。あらかじめチームで手術のシミュレーションができれば、実際の手術の段取りがわかりやすくなります。難易度の高い手術のイメージを掴むためにはMRの技術が有効なのです。また、あらかじめ撮影した患者の血管や神経などの映像と現実の患者とをリンクさせる活用方法もあります。この方法を活用すれば、どの部分をどの程度治療すればいいのかが一目瞭然なので、効率よく治療を行えるのです。
MRの技術を応用すれば、完成品がそこに存在するようなホログラムを作り出すことができます。自動車を製造するときには、実際のサイズや機能を忠実に再現したMRの自動車を作り出す方法が活用できます。MRでパーツの取り付け位置や手順を確認できれば、作業効率がアップします。MRの映像は拡大や縮小に対応しているほか、回転させたり分解するような形で内部を示したりすることも可能です。この技術を使えば、完成イメージや実際の動作をデジタルで確認できます。また、保守点検や監視、研修の現場でマッピングを行い、情報をもとに業務を進めていくというテクニックもあります。
建築業界には、建物が完成した状態を前もって把握することが困難であるという問題があります。そのため、建築会社や下請けの業者、施工主で十分な情報共有ができないことがありました。MRには、こういった問題を解決し、建築現場の作業効率を飛躍的に高める効果が期待できます。例えば、MRを使ってミーティングをすれば実際の建物の状態をイメージとして共有できるため非常におすすめです。また、現地に赴かなくても進捗を把握できるので、遠隔でフレキシブルに作業を進められるのです。MRを用意するときに、建物の完成イメージだけでなく設計図などの資料もデータ化しておけば、必要に応じて適切な資料を取り出すことができ便利です。
イベントスペースの展示物にMRでホログラムを生み出す試みも行われています。博物館や美術館にMRを導入すれば、臨場感のある映像でお客様により楽しんでもらうことができます。また、製品のPRや新製品の発表にMRコンテンツを活用すれば、内容が顧客により伝わりやすくなります。
MRを体感できるデバイスにはいくつかの種類があります。MRデバイスの種類ごとに特徴は異なるので、違いをチェックしておきましょう。MRはまだまだ開発途上の分野と言えます。今後どのような進化を遂げるのか、どのような領域で活用できるようになるのかという点を把握しておけば、ビジネスに新しい流れを吹き込むことも可能となります。
こちらでは、MRデバイスの種類とMRの今後の展望についてご紹介いたします。
MRデバイスにはいくつかの種類があり、それぞれ機能性や特徴が異なります。
HoloLens2はマイクロソフト社によって開発された、透過型のヘッドマウントディスプレイです。目の前に見えるものに映像を重ね合わせが可能で、透過型のデバイスの特徴です。HoloLens2は視野を広く確保しているため、より没入感のある映像を体感できます。搭載されたセンサーによって両手すべての指のトラッキングを行えるのも、HoloLens2のポイントです。また、HoloLens2にはバッテリーやコンピュータを接続する必要もありません。コントローラーや外部機器を持たずに直感で操作できるデバイスなので、快適に活用できます。
Magic Leap1は、Magic Leap社によって開発されたヘッドセットです。こちらのヘッドセットはシースルー型となっており、複数のセンサーが搭載されているので高度な仮想現実を体感できます。Magic Leap1は片手でコントローラーを操作するシステムになっており、高い操作性を維持できます。また、バッテリーやプロセッサとは分離したヘッドセットなので装着したときに重さがなく、装着者にストレスを与えません。
NrealLightは、中国のNreal Ltd.によって開発されているMRデバイスです。従来のMRデバイスには、価格が高くなってしまうという問題点がありました。しかしNrealLightは、数十万円するのが当たり前だったMRデバイスを、5万円程度という手の届く価格帯に引き下げることに成功したのです。NrealLightは軽量化にこだわって作られています。サングラスのような形状なので、装着時の違和感がほとんどありません。また、スマートフォンと連動させて気軽に活用できるのも、NrealLightの魅力です。
マイクロソフト社の調査によると、2020年のMRの市場は約61億ドルという規模に及んでいると言います。現在、MRの市場は急速に拡大しており、2025年には市場規模が343億ドルにも及ぶと試算されています。
MRは、現在法人向けの業務支援などの分野で活用されています。今後はさらに、医療分野や製造分野、建設分野などの各現場でもMRの活用が期待されています。
すでにMicrosoft HoloLensを開発しているマイクロソフト社は、今後もMR開発に注力していくことを明かしています。MR開発が促進されれば、ビジネスシーンに限らず人々の生活の中にも革新的な出来事が起こる可能性は十分に考えられます。
VRやMRの領域では現在、デバイスとして大きなゴーグルを使うのが一般的です。現状のMRのデメリットは、大がかりな機材を使わなければ開発や活用ができないという点にあります。
MRに限らずあらゆる技術は、その発展とともに機材の小型化が進んでいくものです。将来的には、手のひらに収まるスマートフォンくらいのサイズの機材でMRを十分に体験できるようになるかもしれません。
また、MRとAIの技術を融合させた新製品の開発に着手している企業もあります。MRとAIの技術を搭載したバーチャル上のアバターを生み出せば、デジタル分野の広告塔になったり、各種サービスに活用したりといった事例も増えていくはずです。
15minはMRの各種コンテンツ制作のご相談や費用のお見積もりに対応しています。MR開発について詳しく知りたい方やMRコンテンツ制作の依頼を検討している方は、お気軽にお問い合わせください。
MRは、現在にわかに注目が集まっている領域です。MRには、現実世界と仮想世界をつなぎ合わせられるという大きな魅力があります。映像技術を活用したコンテンツを取り入れたいとお考えなら、MR開発の検討をおすすめします。
MR開発を依頼するなら、15minにご依頼ください。お客様のご要望に合わせた最適なMRの各種コンテンツ制作やご相談・費用のお見積もりに応じています。HoloLens2などのMRデバイスを活用したアプリケーション・サービス開発の経験もあり、デバイスごとの強み・弱みも把握しているためご相談いただく案件の内容をお伺いし、適切なデバイスの選定からご協力させていただきます。MR開発について詳しく知りたい方やMRコンテンツ制作の依頼を検討している方は、お気軽にお問い合わせください。